2011年 09月 20日
まだ たばこを吸っていますか |
「タバコは体に悪い」ということは、タバコのパッケージにもでかでかと書かれていますし、誰もがご存知だろうと思いますが、一度習慣になると止めるのが難しいタバコ。タバコの有害性とはどのようなものか、なぜ止めるのが難しいのか、そして禁煙の方法についてお伝えいたします。
タバコの起源
タバコとはナス科タバコ属の一年草で、古くは紀元前から南米において、先住民によって喫煙用に使われていたようです。嗜好品というより、主にいけにえの儀式や占いといった宗教的な用途で用いられていたとされています(北米のインディアンは現在も用いているそうです)。15世紀、コロンブスがアメリカ大陸を発見した際に、先住民のアラワク族がタバコの葉を与えたのですが、コロンブスは興味を示さず捨ててしまったとか。その後、ロドリゴ・デ・ヘレスとルイス・デ・トロスが喫煙を目撃した最初のヨーロッパ人となり、ヘレスがアメリカ州の外で喫煙した最初の人物として記録されています。16世紀には船乗りの間で喫煙は一般的になり、タバコの製造法が進むにつれ世界中に浸透するようになりました。
喫煙のリスク
喫煙による健康被害は多くの国で叫ばれ、対策が行われていますが、古くはタバコの流行し始めた16世紀初頭には、すでに健康の問題について議論されていたようです。タバコ会社は喫煙を「個人的趣味・嗜好の問題」と弁明しているようですが、医学的には、「喫煙病」という全身疾患であり、喫煙者は「患者」という認識がなされています。
●毒物を含むタバコの煙
タバコの煙に含まれる化学物質は約4000種ほどで、その内約200種は致死性有毒化学物質とされていて、中にはゴキブリの駆除剤に含まれているヒ素などが含まれているといわれています。天然のタバコ由来の成分の他、工場ではニコチンの吸収を高める目的として約600種の有害化学物質を添加していると言われています。また悪臭の原因にもなります。
《タバコの煙の主な成分》
ニコチン、タール、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、エントドキシン、ヒ素、鉛
《主な発がん性物質》
アクロレイン カドミウム化合物 シアン化水素 ダイオキシン ホルムアルデヒド
●美容の敵。タバコはしわを増やす
長期喫煙者によく見られる、タバコによってシミ・しわが増え、独特の老けて見える顔の事をスモーカーズフェイスといいます。タバコによってメラニンの生成や着色を抑えるビタミンCが破壊されるため肌の色艶が悪くなり、血管を収縮させるので肌の細胞が慢性の栄養失調となり、シミやしわが増えてしまいます。また、歯への着色や歯周病も引き起こすといわれています。
●病気のリスク・・・がん、肺気腫など
タバコはがん(特に肺がん、喉頭がん等)の危険因子であることは周知の事実です。喫煙により細胞が炎症・破壊を起こし、発がん性物質にさらされる事により遺伝子の変異が起こりがん発生のリスクが高まってしまいます。また、全世界の死亡率第4位とされるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)も問題とされます。COPDとは慢性気管支炎と肺気腫の総称で、別名タバコ病と呼ばれるほど喫煙との因果関係が明確になっている病気です。慢性気管支炎は気道に炎症が起きて呼吸困難になる病気で、肺気腫は肺の構造そのものが壊れてしまう病気です。初期症状では息が切れやすくなるくらいでわかりにくく、症状が進むと呼吸困難のために座位でなければ寝れなくなるほどの辛い病気です。壊れた肺を治す薬は無いので、最終的には肺の移植も検討しなければなりません。
その他、タバコは血管の細胞にも影響を及ぼすので、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、EDのリスクが高まるとも言われています。
●周囲への影響(受動喫煙、副流煙など)
身近に喫煙者がいると、赤ちゃんの尿からニコチンが出てくる事があります。タバコが原因で肺炎、喘息などの呼吸器疾患、アトピーになる子供もいて、身体発育にも影響があるといわれています。妊婦がいる場合は特に危険で、先天異常の危険性が高まると言われています。
タバコ依存症のメカニズム
体に悪いから止めるぞ!と思っていても、なかなか止められないタバコですが、なぜ禁煙が難しいのでしょうか?
それはタバコに含まれるニコチンによる薬物依存と、喫煙習慣による心理的依存の2つを克服しなければいけないからです。
●ニコチン依存(薬物依存症)
私たちの脳には日常的に、緊張をほぐしたり幸せを感じる働きを持つドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質を放出しています。ところがいったん喫煙するとニコチンが脳へ到達し、ニコチンが脳に代わって神経伝達物質を放出する命令を出してしまいます。喫煙時にリニックスを覚えるのはそのためです。しかし、ニコチンは数時間で処理されてしまうので、また吸いたいと思うようになります。これを繰り返すと、やがて喫煙しないと脳が神経伝達物質を出さなくなってしまい、脳がニコチンを求め続けるようになってしまいます。これが薬物依存症です。
こうなると一旦禁煙をしようと思っても、イライラやストレスがつのり、ついついタバコを吸ってしまうようになります。
●習慣性によるもの(心理的依存)
禁煙すると、なんとなく口が寂しい、何かがおかしいと感じる事があります。食後の一服や仕事の休憩時、待ち時間に一服するといった習慣をつけていると、身体的にはタバコの影響は取り除かれているのですが、気持ちだけはついてきていないことがあります。例えばタバコを勧められたり誰かが吸っているのを見て、思わず自分も一服してみたくなる・・・といった事も考えられます。
禁煙をするにはどうすればよいか
現在は、受動喫煙に関する影響も懸念されており、タバコは吸う人の問題だけではなくなっています。タバコはすぐにはやめられるものではありませんが、有効であろうと思われる禁煙のコツを紹介したいと思います。
●禁煙する理由を確認する
禁煙への意欲を高めるには、自分自身の健康のため・子供に害がおよばないように・知人の死など・・・具体的な事柄を挙げることで禁煙に対するモチベーションがあがり、成功率も高くなります。つい忘れがちな方は、トイレに禁煙の動機を書いた紙を貼るのも良いでしょう。
●タバコはおいしくない
生まれて初めてタバコを吸ったときのことを思い出してください。味はどうでしたか?咳き込んだり気分が悪くなったり、決しておいしくなかったはずです。ニコチンによる薬物中毒で、おいしいと刷り込まれているだけに過ぎません。本来は、タバコは「おいしくない」ものなのです。
●ニコチンによる禁断症状は約1週間
ニコチンが切れる事により生じるイライラや苦痛などの禁断症状は、3日から1週間ほどで消滅するといわれています。禁煙後、この期間を乗り切る事が継続成功への最大のポイントとなります。
●禁煙に悲壮感を感じない事
喫煙者の多くは「吸ってはいけない」という気持ちと「吸いたい」という気持ちが葛藤し、暗い気分で続けています。「吸ってはいけない」ではなく、「元々人間には不必要な、不潔なタバコを吸う必要はない。吸わなくてもいい」という意識を持ち、禁煙した事に喜びを感じましょう。悲壮感ではなく、喜びに意識を変えることが継続のコツです。
タバコを止めて良かったという声
禁煙に成功した人からこんな声をよく聞きます。
・ご飯がおいしくなった・お金がたまる・咳や痰が減った・気持ちが楽になった
・体の調子が良くなった・仕事の効率が上がった・家族からタバコ臭いと言われなくなった
タバコを止めると一時的に体重が増加する事が多いのですが、それは今までがタバコのせいで病的に痩せていて、本来の体重に戻っただけのようです。なかなか禁煙できない方もいますが、成功した人にとっては「今までなぜ止める事ができなかったんだろうか。」という声が多いです。
喫煙するよりも、禁煙したほうがはるかにメリットがあります。皆さんも迷わず禁煙を実践してはいかがでしょうか?
タバコの起源
タバコとはナス科タバコ属の一年草で、古くは紀元前から南米において、先住民によって喫煙用に使われていたようです。嗜好品というより、主にいけにえの儀式や占いといった宗教的な用途で用いられていたとされています(北米のインディアンは現在も用いているそうです)。15世紀、コロンブスがアメリカ大陸を発見した際に、先住民のアラワク族がタバコの葉を与えたのですが、コロンブスは興味を示さず捨ててしまったとか。その後、ロドリゴ・デ・ヘレスとルイス・デ・トロスが喫煙を目撃した最初のヨーロッパ人となり、ヘレスがアメリカ州の外で喫煙した最初の人物として記録されています。16世紀には船乗りの間で喫煙は一般的になり、タバコの製造法が進むにつれ世界中に浸透するようになりました。
喫煙のリスク
喫煙による健康被害は多くの国で叫ばれ、対策が行われていますが、古くはタバコの流行し始めた16世紀初頭には、すでに健康の問題について議論されていたようです。タバコ会社は喫煙を「個人的趣味・嗜好の問題」と弁明しているようですが、医学的には、「喫煙病」という全身疾患であり、喫煙者は「患者」という認識がなされています。
●毒物を含むタバコの煙
タバコの煙に含まれる化学物質は約4000種ほどで、その内約200種は致死性有毒化学物質とされていて、中にはゴキブリの駆除剤に含まれているヒ素などが含まれているといわれています。天然のタバコ由来の成分の他、工場ではニコチンの吸収を高める目的として約600種の有害化学物質を添加していると言われています。また悪臭の原因にもなります。
《タバコの煙の主な成分》
ニコチン、タール、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、エントドキシン、ヒ素、鉛
《主な発がん性物質》
アクロレイン カドミウム化合物 シアン化水素 ダイオキシン ホルムアルデヒド
●美容の敵。タバコはしわを増やす
長期喫煙者によく見られる、タバコによってシミ・しわが増え、独特の老けて見える顔の事をスモーカーズフェイスといいます。タバコによってメラニンの生成や着色を抑えるビタミンCが破壊されるため肌の色艶が悪くなり、血管を収縮させるので肌の細胞が慢性の栄養失調となり、シミやしわが増えてしまいます。また、歯への着色や歯周病も引き起こすといわれています。
●病気のリスク・・・がん、肺気腫など
タバコはがん(特に肺がん、喉頭がん等)の危険因子であることは周知の事実です。喫煙により細胞が炎症・破壊を起こし、発がん性物質にさらされる事により遺伝子の変異が起こりがん発生のリスクが高まってしまいます。また、全世界の死亡率第4位とされるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)も問題とされます。COPDとは慢性気管支炎と肺気腫の総称で、別名タバコ病と呼ばれるほど喫煙との因果関係が明確になっている病気です。慢性気管支炎は気道に炎症が起きて呼吸困難になる病気で、肺気腫は肺の構造そのものが壊れてしまう病気です。初期症状では息が切れやすくなるくらいでわかりにくく、症状が進むと呼吸困難のために座位でなければ寝れなくなるほどの辛い病気です。壊れた肺を治す薬は無いので、最終的には肺の移植も検討しなければなりません。
その他、タバコは血管の細胞にも影響を及ぼすので、心筋梗塞、脳梗塞、動脈硬化、EDのリスクが高まるとも言われています。
●周囲への影響(受動喫煙、副流煙など)
身近に喫煙者がいると、赤ちゃんの尿からニコチンが出てくる事があります。タバコが原因で肺炎、喘息などの呼吸器疾患、アトピーになる子供もいて、身体発育にも影響があるといわれています。妊婦がいる場合は特に危険で、先天異常の危険性が高まると言われています。
タバコ依存症のメカニズム
体に悪いから止めるぞ!と思っていても、なかなか止められないタバコですが、なぜ禁煙が難しいのでしょうか?
それはタバコに含まれるニコチンによる薬物依存と、喫煙習慣による心理的依存の2つを克服しなければいけないからです。
●ニコチン依存(薬物依存症)
私たちの脳には日常的に、緊張をほぐしたり幸せを感じる働きを持つドーパミンやノルアドレナリンといった神経伝達物質を放出しています。ところがいったん喫煙するとニコチンが脳へ到達し、ニコチンが脳に代わって神経伝達物質を放出する命令を出してしまいます。喫煙時にリニックスを覚えるのはそのためです。しかし、ニコチンは数時間で処理されてしまうので、また吸いたいと思うようになります。これを繰り返すと、やがて喫煙しないと脳が神経伝達物質を出さなくなってしまい、脳がニコチンを求め続けるようになってしまいます。これが薬物依存症です。
こうなると一旦禁煙をしようと思っても、イライラやストレスがつのり、ついついタバコを吸ってしまうようになります。
●習慣性によるもの(心理的依存)
禁煙すると、なんとなく口が寂しい、何かがおかしいと感じる事があります。食後の一服や仕事の休憩時、待ち時間に一服するといった習慣をつけていると、身体的にはタバコの影響は取り除かれているのですが、気持ちだけはついてきていないことがあります。例えばタバコを勧められたり誰かが吸っているのを見て、思わず自分も一服してみたくなる・・・といった事も考えられます。
禁煙をするにはどうすればよいか
現在は、受動喫煙に関する影響も懸念されており、タバコは吸う人の問題だけではなくなっています。タバコはすぐにはやめられるものではありませんが、有効であろうと思われる禁煙のコツを紹介したいと思います。
●禁煙する理由を確認する
禁煙への意欲を高めるには、自分自身の健康のため・子供に害がおよばないように・知人の死など・・・具体的な事柄を挙げることで禁煙に対するモチベーションがあがり、成功率も高くなります。つい忘れがちな方は、トイレに禁煙の動機を書いた紙を貼るのも良いでしょう。
●タバコはおいしくない
生まれて初めてタバコを吸ったときのことを思い出してください。味はどうでしたか?咳き込んだり気分が悪くなったり、決しておいしくなかったはずです。ニコチンによる薬物中毒で、おいしいと刷り込まれているだけに過ぎません。本来は、タバコは「おいしくない」ものなのです。
●ニコチンによる禁断症状は約1週間
ニコチンが切れる事により生じるイライラや苦痛などの禁断症状は、3日から1週間ほどで消滅するといわれています。禁煙後、この期間を乗り切る事が継続成功への最大のポイントとなります。
●禁煙に悲壮感を感じない事
喫煙者の多くは「吸ってはいけない」という気持ちと「吸いたい」という気持ちが葛藤し、暗い気分で続けています。「吸ってはいけない」ではなく、「元々人間には不必要な、不潔なタバコを吸う必要はない。吸わなくてもいい」という意識を持ち、禁煙した事に喜びを感じましょう。悲壮感ではなく、喜びに意識を変えることが継続のコツです。
タバコを止めて良かったという声
禁煙に成功した人からこんな声をよく聞きます。
・ご飯がおいしくなった・お金がたまる・咳や痰が減った・気持ちが楽になった
・体の調子が良くなった・仕事の効率が上がった・家族からタバコ臭いと言われなくなった
タバコを止めると一時的に体重が増加する事が多いのですが、それは今までがタバコのせいで病的に痩せていて、本来の体重に戻っただけのようです。なかなか禁煙できない方もいますが、成功した人にとっては「今までなぜ止める事ができなかったんだろうか。」という声が多いです。
喫煙するよりも、禁煙したほうがはるかにメリットがあります。皆さんも迷わず禁煙を実践してはいかがでしょうか?
by wph-sigino
| 2011-09-20 13:53
| 健康