2015年 09月 24日
漢方のある生活2 |
「気分がよい」「気が滅入る」など気持ちの状態を表す言葉はたくさんあります。この「気持ち」も漢方でいう「気」のこと。
気は生命活動を営む上で必要不可欠なエネルギー・物理的な気力・体力だけ出なく、気分・気持ちなどの心も含んだ概念です。この気が乱れると「血」や「水」にも影響を及ぼします。また、気は体の防衛機能も担っているため、気の異常は免疫力にも影響を与えます。このため、気の管理はとても重要です。
ちなみに「気」には、必要なもの「正気せいき」と、不必要なもの「邪気じゃき」の2種類があります。
正気が足りなくなると「疲れやすい」などの症状が見られ、免疫力の低下につながります。また、ストレスによって正気が滞ったり、邪気が体に侵入すると、免疫力のバランスを崩します。邪気が正気に勝ると病気が悪化するので、正気を増やし、邪気をためないように、 気の働きを整えるライフスタイルを心がけることが大切です。
邪気を吐き出さないと生気は増えない
疲れやイライラ、ネチネチした心理状態が続くと邪気は増える一方。生気を取り戻すには、十分な休息と気分転換でたまった邪気を吐き出し、正気が入り込むスペースを作る必要があります。すいみん不足が続いているのに、例えば1泊3日強行スケジュールのツアーなどでリフレッシュしようというのはムリな話。漢方では、余計に疲れて邪気がたまると考えます。
免疫力を上げる漢方養生法
気が整う簡単呼吸法
自分の意思ではコントロールできない自律神経の働きを自発的に整える方法の1つが呼吸。実は意識して呼吸をすることで、自律神経を整えることができます。
活動的な交感神経が優位になると呼吸は浅くなり、心身を休める副交感神経が優位なときは深くゆったりとした呼吸になります。この特性をいかして副交感神経を優位にし、気の流れを穏やかにするのが「リラックス呼吸法」。下腹部(丹田たんでん)を意識して鼻から息をお腹いっぱいに吸い込み、5秒ほど息を止めます。次に口から10秒くらいかけてゆっくり吐き出します。ストレスを感じたらやってみて下さい。
食生活で気を補おう
賢く食べ物を選べば、普段の食事で気のバランスを整えることも可能です。気の乱れを感じたとき、食べるとよい食材は次の通りです。●停滞した気を巡らせる・・・ピーマン、かぼす、すだちなど。冷える人には、体を温めるパセリやシソ、きんかんなど。暑がりの人は、熱を取るグレープフルーツやセロリ、ミントなどを食べるとよいでしょう。
●気を補うには・・・しいたけ、うるち米、大豆、山芋、ジャガイモ、サツマイモ、枝豆、ウナギ、カツオ、白魚,アワビなど。冷える人は生姜、サバ、エビ。暑がりの人は栗や大麦など。
ツボ押しでセルフケア
私たちの体には経絡けいらくと呼ばれる気血の通り道があります。その上にあるのが経穴(ツボ)。普段から「ちょっと疲れたな」と思ったら、ツボ押しを日課にしましょう。たまに行くマッサージよりも毎日のツボ押しのほうが効果は持続します。
気を補うツボは以下の3つ。
●足三里(あしさんり)・・・ひざの下の骨のでっぱりから指2~3本分外側にあるくぼみ部分。
●昼脘(ちゅうかん)・・・みぞおちとおへその真ん中にある。
●風門(ふうもん)・・・首を前に倒すと首の付け根に突き出る骨から、2つ目と3つ目の骨の間の左右にある。風門は風邪予防にも有効。
早寝早起きは基本です!
日の出と共に鳥たちが一斉に鳴き出すように、、人間も自然のリズムの中で生きています。どれだけ世の中が便利になろうと、体は意外に原始的なのです。睡眠によって気は補われます。睡眠は長さだけでなく、いつ寝るのかも大切です。夜中の2時から2時半頃は、体の機能が低下するとき。この時間帯にしっかり寝て、気を補うことが大切です。夜更かしや昼夜逆転の生活は、気を補えないばかりか、自ら気を無駄遣いして老化を早める恐れもあります。生来の生命力を枯渇させないためにも、深夜0時までには床につき、体をしっかり休めましょう。
気分転換で気を巡らそう
同じように忙しい人でも、ストレスに強い人と弱い人がいます。それはなぜでしょうか。それは、忙しくても元気な人はストレス=「邪気」の発散が上手だから。心身を元気にする「正気」は、体にたまったストレス=「邪気」を排出しないと、入ってきません。だから上手な気分転換で、こまめにストレスを発散することが大事なのです。散歩や自然の中でのハイキング、趣味のカラオケやダンスなど、生活の中に好きなことをして楽しむ時間を設けましょう。なお、ストレス発散は「月に1回の旅行」よりも「気楽に毎週ちょっとずつ」が有効。
感情への対処法
漢方では体と心はつながっていて、お互いに作用し合うと考えます。普段、私たちが何気なく感じている感情も、度を過ぎれば五臓六腑を傷つけ、心身のバランスが崩れる原因に(漢方で言う五臓六腑は下表を参照)。例えば「ショックな出来事の後で髪の毛が真っ白になった」などは、驚きの感情が過ぎて、「腎」を傷つけた結果。感情面でも中庸のラインを保ちつつ、淡々と朗らかに生きるのが漢方生活のペース。では、面倒を避け、常に楽しめばよいのかというと、そうでもありません。「喜び過ぎ」は「心」を傷つけます。何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」なのです。
気は生命活動を営む上で必要不可欠なエネルギー・物理的な気力・体力だけ出なく、気分・気持ちなどの心も含んだ概念です。この気が乱れると「血」や「水」にも影響を及ぼします。また、気は体の防衛機能も担っているため、気の異常は免疫力にも影響を与えます。このため、気の管理はとても重要です。
ちなみに「気」には、必要なもの「正気せいき」と、不必要なもの「邪気じゃき」の2種類があります。
正気が足りなくなると「疲れやすい」などの症状が見られ、免疫力の低下につながります。また、ストレスによって正気が滞ったり、邪気が体に侵入すると、免疫力のバランスを崩します。邪気が正気に勝ると病気が悪化するので、正気を増やし、邪気をためないように、 気の働きを整えるライフスタイルを心がけることが大切です。
邪気を吐き出さないと生気は増えない
疲れやイライラ、ネチネチした心理状態が続くと邪気は増える一方。生気を取り戻すには、十分な休息と気分転換でたまった邪気を吐き出し、正気が入り込むスペースを作る必要があります。すいみん不足が続いているのに、例えば1泊3日強行スケジュールのツアーなどでリフレッシュしようというのはムリな話。漢方では、余計に疲れて邪気がたまると考えます。
免疫力を上げる漢方養生法
気が整う簡単呼吸法
自分の意思ではコントロールできない自律神経の働きを自発的に整える方法の1つが呼吸。実は意識して呼吸をすることで、自律神経を整えることができます。
活動的な交感神経が優位になると呼吸は浅くなり、心身を休める副交感神経が優位なときは深くゆったりとした呼吸になります。この特性をいかして副交感神経を優位にし、気の流れを穏やかにするのが「リラックス呼吸法」。下腹部(丹田たんでん)を意識して鼻から息をお腹いっぱいに吸い込み、5秒ほど息を止めます。次に口から10秒くらいかけてゆっくり吐き出します。ストレスを感じたらやってみて下さい。
食生活で気を補おう
賢く食べ物を選べば、普段の食事で気のバランスを整えることも可能です。気の乱れを感じたとき、食べるとよい食材は次の通りです。●停滞した気を巡らせる・・・ピーマン、かぼす、すだちなど。冷える人には、体を温めるパセリやシソ、きんかんなど。暑がりの人は、熱を取るグレープフルーツやセロリ、ミントなどを食べるとよいでしょう。
●気を補うには・・・しいたけ、うるち米、大豆、山芋、ジャガイモ、サツマイモ、枝豆、ウナギ、カツオ、白魚,アワビなど。冷える人は生姜、サバ、エビ。暑がりの人は栗や大麦など。
ツボ押しでセルフケア
私たちの体には経絡けいらくと呼ばれる気血の通り道があります。その上にあるのが経穴(ツボ)。普段から「ちょっと疲れたな」と思ったら、ツボ押しを日課にしましょう。たまに行くマッサージよりも毎日のツボ押しのほうが効果は持続します。
気を補うツボは以下の3つ。
●足三里(あしさんり)・・・ひざの下の骨のでっぱりから指2~3本分外側にあるくぼみ部分。
●昼脘(ちゅうかん)・・・みぞおちとおへその真ん中にある。
●風門(ふうもん)・・・首を前に倒すと首の付け根に突き出る骨から、2つ目と3つ目の骨の間の左右にある。風門は風邪予防にも有効。
早寝早起きは基本です!
日の出と共に鳥たちが一斉に鳴き出すように、、人間も自然のリズムの中で生きています。どれだけ世の中が便利になろうと、体は意外に原始的なのです。睡眠によって気は補われます。睡眠は長さだけでなく、いつ寝るのかも大切です。夜中の2時から2時半頃は、体の機能が低下するとき。この時間帯にしっかり寝て、気を補うことが大切です。夜更かしや昼夜逆転の生活は、気を補えないばかりか、自ら気を無駄遣いして老化を早める恐れもあります。生来の生命力を枯渇させないためにも、深夜0時までには床につき、体をしっかり休めましょう。
気分転換で気を巡らそう
同じように忙しい人でも、ストレスに強い人と弱い人がいます。それはなぜでしょうか。それは、忙しくても元気な人はストレス=「邪気」の発散が上手だから。心身を元気にする「正気」は、体にたまったストレス=「邪気」を排出しないと、入ってきません。だから上手な気分転換で、こまめにストレスを発散することが大事なのです。散歩や自然の中でのハイキング、趣味のカラオケやダンスなど、生活の中に好きなことをして楽しむ時間を設けましょう。なお、ストレス発散は「月に1回の旅行」よりも「気楽に毎週ちょっとずつ」が有効。
感情への対処法
漢方では体と心はつながっていて、お互いに作用し合うと考えます。普段、私たちが何気なく感じている感情も、度を過ぎれば五臓六腑を傷つけ、心身のバランスが崩れる原因に(漢方で言う五臓六腑は下表を参照)。例えば「ショックな出来事の後で髪の毛が真っ白になった」などは、驚きの感情が過ぎて、「腎」を傷つけた結果。感情面でも中庸のラインを保ちつつ、淡々と朗らかに生きるのが漢方生活のペース。では、面倒を避け、常に楽しめばよいのかというと、そうでもありません。「喜び過ぎ」は「心」を傷つけます。何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」なのです。
by wph-sigino
| 2015-09-24 16:32
| 健康