2015年 11月 04日
薬が体に効くしくみ |
薬が体にどのように作用するか、その仕組みを正しく理解していますか。
今日は、内服薬が体内に入ってから効き目が現れるまでの流れを通じて、用法・容量を守ることの大切さを解説します。
飲んだ薬は体の中でどうなるのでしょう
血液とともに全身を巡ります
一般に、飲んだ薬は胃で溶け始めて小腸で吸収され、いったん肝臓へと運ばれます。そして、血流に乗って全身へ送られて目的の部位で効果を発揮します。その後、時間の経過に伴い再び肝臓で分解され、腎臓から尿として体外に排泄されます。薬が作用する第一段階である胃までしっかりと薬を流し込み、成分を溶かすためには、コップ1杯程度の水と一緒に飲むことが大切。ある程度の水分がないと薬の成分がしっかりと溶けません。うまく飲み込めずのどにひっかかり、溶け出してしまうとその部分が刺激で炎症を起こす場合もありますので注意しましょう。
飲む量や回数は、状況や症状に合わせて加減してもよいのでしょうか
用法・容量を守ることが大前提です
薬の血中濃度とは血液の中に含まれている薬の濃度のことで、その濃度によって効果の現われ方が決まります。薬の用法・容量は、血中濃度が安全かつ効果的な範囲内に保たれるように設計されています。従って、自己判断で量を加減したり、時間を守らずに飲むと血中濃度が範囲外になり、期待される効果が得られないだけでなく、副作用を引き起こすこともあります。例えば仕事の都合で1日に複数回、決められた時間に飲むことが難しいのなら、薬剤師に相談して1日1~2回でも効果が出るようなタイプに変えるなどの工夫をしましょう。
私より背が高いうちの息子、小学生だけど大人用を飲ませたほうがよいですか
子供に大人用の薬を飲ませてはいけません
子供を大人のミニチュアと捉え、体格だけの問題だと思っていませんか。15歳までの子供は成長段階にあり、薬を分解する機能を持つ肝臓の働きも十分ではありません。ですから、たとえ子供が大人と同じ体格に見えたとしても、大人の量の薬を分解することができず、強すぎてしまうのです。さらに、大人用の薬には子供に使用してはいけない成分が含まれている場合があり、子供に飲ませると思わぬ副作用を引き起こす危険も伴います。小児の用法・容量が記載されていないものは、子供が使ってはいけない医薬品です。絶対に服用させないでください。
Q.薬にいろいろな形があるのはなぜ?
例えば内服薬に錠剤、カプセル、粉薬、液体などがあるのは、飲みやすさや効果を最大限引き出すための工夫です。固形剤には苦い味を隠したり、飲み残しの心配が少ないといったメリットが、液剤はのどを通りやすいので子供や高齢者にも飲みやすいなどの特徴があります。自分が使いやすいものを選ぶのが基本ですが、どのタイプがよいか分からない場合は薬剤師に相談しましょう。
Q.食前・食後・食間っていつのこと?
薬を安全に効果的に使うためには、容量とともに服用の回数、時間を守ることが大切です。食前は食事の30~60分以前、食後は食事を終えてから30分以内、食間の目安は食後2時間程度。そのほかにも服用時間が特別に設定されている薬などもあるので、飲む前にきちんと確認することが必要です。
Q.薬をうっかり飲み忘れてしまったら?
薬は用法・容量を守ってはじめて効果を発揮するものです。ですから、「飲み忘れたらどうするか」の前に、飲み忘れない工夫をすることが重要です。万が一、飲み忘れたときは、一般的には飲み忘れた分は抜いて、次から通常通り飲むようにします。ただし、発作を抑える薬などはこれに準じません。薬をもらうときに、念のため「飲み忘れたときはどうしたらよいか」を確認しておきましょう。
「季刊」セルフドクターより
今日は、内服薬が体内に入ってから効き目が現れるまでの流れを通じて、用法・容量を守ることの大切さを解説します。
飲んだ薬は体の中でどうなるのでしょう
血液とともに全身を巡ります
一般に、飲んだ薬は胃で溶け始めて小腸で吸収され、いったん肝臓へと運ばれます。そして、血流に乗って全身へ送られて目的の部位で効果を発揮します。その後、時間の経過に伴い再び肝臓で分解され、腎臓から尿として体外に排泄されます。薬が作用する第一段階である胃までしっかりと薬を流し込み、成分を溶かすためには、コップ1杯程度の水と一緒に飲むことが大切。ある程度の水分がないと薬の成分がしっかりと溶けません。うまく飲み込めずのどにひっかかり、溶け出してしまうとその部分が刺激で炎症を起こす場合もありますので注意しましょう。
飲む量や回数は、状況や症状に合わせて加減してもよいのでしょうか
用法・容量を守ることが大前提です
薬の血中濃度とは血液の中に含まれている薬の濃度のことで、その濃度によって効果の現われ方が決まります。薬の用法・容量は、血中濃度が安全かつ効果的な範囲内に保たれるように設計されています。従って、自己判断で量を加減したり、時間を守らずに飲むと血中濃度が範囲外になり、期待される効果が得られないだけでなく、副作用を引き起こすこともあります。例えば仕事の都合で1日に複数回、決められた時間に飲むことが難しいのなら、薬剤師に相談して1日1~2回でも効果が出るようなタイプに変えるなどの工夫をしましょう。
私より背が高いうちの息子、小学生だけど大人用を飲ませたほうがよいですか
子供に大人用の薬を飲ませてはいけません
子供を大人のミニチュアと捉え、体格だけの問題だと思っていませんか。15歳までの子供は成長段階にあり、薬を分解する機能を持つ肝臓の働きも十分ではありません。ですから、たとえ子供が大人と同じ体格に見えたとしても、大人の量の薬を分解することができず、強すぎてしまうのです。さらに、大人用の薬には子供に使用してはいけない成分が含まれている場合があり、子供に飲ませると思わぬ副作用を引き起こす危険も伴います。小児の用法・容量が記載されていないものは、子供が使ってはいけない医薬品です。絶対に服用させないでください。
Q.薬にいろいろな形があるのはなぜ?
例えば内服薬に錠剤、カプセル、粉薬、液体などがあるのは、飲みやすさや効果を最大限引き出すための工夫です。固形剤には苦い味を隠したり、飲み残しの心配が少ないといったメリットが、液剤はのどを通りやすいので子供や高齢者にも飲みやすいなどの特徴があります。自分が使いやすいものを選ぶのが基本ですが、どのタイプがよいか分からない場合は薬剤師に相談しましょう。
Q.食前・食後・食間っていつのこと?
薬を安全に効果的に使うためには、容量とともに服用の回数、時間を守ることが大切です。食前は食事の30~60分以前、食後は食事を終えてから30分以内、食間の目安は食後2時間程度。そのほかにも服用時間が特別に設定されている薬などもあるので、飲む前にきちんと確認することが必要です。
Q.薬をうっかり飲み忘れてしまったら?
薬は用法・容量を守ってはじめて効果を発揮するものです。ですから、「飲み忘れたらどうするか」の前に、飲み忘れない工夫をすることが重要です。万が一、飲み忘れたときは、一般的には飲み忘れた分は抜いて、次から通常通り飲むようにします。ただし、発作を抑える薬などはこれに準じません。薬をもらうときに、念のため「飲み忘れたときはどうしたらよいか」を確認しておきましょう。
「季刊」セルフドクターより
by wph-sigino
| 2015-11-04 16:12
| 健康